観賞魚の病気と予防について
基本的に魚はストレスを感じると、免疫力が下がり、その結果病気になります。主なストレスの原因は水質悪化、水温変化、環境やpHなどの変化などです。
毎日観察をしていれば、魚の動きがおかしいとか、エサ食いが悪いとか、発色が良くないとかに気がつくと思います。
これらはストレスのサインですから、飼育水を30〜50%換えて、バクテリアなどの水質浄化材を入れると病気を未然に防げるでしょう。
観賞魚の主な病気と症状
魚にもいろいろな病気があります。
ここでは熱帯魚や金魚などの淡水で起こる病気について説明していきます。
主な魚の病気は白点病、尾ぐされ病、水カビ病、赤班病、穴あき病、松かさ病、イカリムシ症、ウオジラミ症、鰓病、抗酸菌症、転覆病、ヘルペスウイルス症などがあります。
まずは自分の魚が、どの病気かを症状にて見つけましょう。
下表に病名と主な特徴を記載させていただきましたので参考としてご利用ください。
白点病 | 0.5mm程の小さな白点があちこち見られます。 |
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尾ぐされ病 | 口ぐされ病はその個所がただれたり、白くなります。 |
水カビ病 | カビのようなものが付着します。 |
赤班病 | 皮膚に出血班が見られます。 |
穴あき病 | 鱗1枚程度に充血が見られ、その内に筋肉が露出します。 |
松かさ病 | 鱗が逆立ち、最後には眼球が突出することもあります。 |
イカリムシ症 | ひも状のものが体表に付着しているように見えます。 |
ウオジラミ症 | 体表にキスゴムのようなものが付着し、移動もします。 |
鰓病 | 感染魚が鼻上げをしたり、突然狂ったように泳いだり、他の魚から離れてぼうっとしたり、エラ蓋をさかんに開閉したりします。原因も色々ありますので、治療も困難な病気です。 |
抗酸菌症 | 熱帯魚によく見られ、眼球が突出したり、腹部が膨張したりして体色が黒化することがあります。治療薬が無く感染魚を水槽から捕りだして感染予防します。 |
転覆病 | 丸手の金魚に多く見られ、魚がひっくり返る病気です。完全な治療法は無く早期であれば水温を25℃以上にしながら腸内細菌などの入ったエサや液体を入れると良いでしょう。0.2〜0.3%の塩水浴も効果的です。 |
ヘルペスウイルス症 | 外見的に異常の無いまま衰弱して死に至ります。これと言った治療法が無く、春と秋によく発生しますので水温を25℃以上にし、感染魚はすみやかに隔離して感染予防しましょう。 |
大きく分けて3種類の薬を推薦しています
実際には、上記表の他にもまだまだいろいろな病気があります。飼っている魚が、どの病気になっているかを判断するのはとても難しい場合があります。当店では、魚の治療薬の効能から、大きく分けて3種類の薬を推薦しています。
日本動物薬品アグテンなどのマラカイトグリーン水溶液は白点病を始め、尾ぐされ病や水カビ病にも効果があります。この薬は水草やろ過バクテリアにも安全ですので、まずはアグテンをオススメします。早期治療であれば、ほとんどアグテン1本で治せます。しかし、3日以上経っても効果が無さそうな時には、飼育水を50%以上換え、抗菌剤に切り替えましょう。効果がありそうな場合は、50%水換えをしてからアグテンをまた規定量入れてください。
抗菌剤のオススメはグリンFゴールド又はカンパラDです。グリンFゴールド顆粒は水草には使用できませんので、グリンFゴールドリキッド又はカンパラDの方がオススメです。腐る症状の病気、特にエロモナス症などの赤班病、穴あき病、松かさ病に効果があります。
外見から確認できるイカリムシ症やウオジラミ症などの寄生虫にはリフィッシュやトロピカルNと言う商品があり、熱帯魚に使うならトロピカルNをオススメします。どちらの薬も、魚に寄生している成虫や卵には効果が無く、水中にいる間の幼虫のみを駆除します。規定量の薬を約2週間の間隔で2〜3回投与してください。
「アグテン」「カンパラD」「トロピカルN」など、3種類の薬があればほとんどの病気をカバーできます。早期発見と治療が必要ですので、お薬の買い置きをオススメします。
最後に、鰓病には原因がいろいろあり、治療薬も1つに絞るのが難しい病気です。カンパラDとリフィッシュ(トロピカルN)との薬浴が効果的です。この時の使用量はお互い規定量ずつ入れてください。また、体液保持のために食塩を0.1〜0.3%添加することも効果的です。治療後は大幅な水変えをして、バクテリアなどの水質浄化材を入れて水を作り直しましょう。
薬事法の関係上、お薬は魚の症状を店員に伝えて、処方して(選んで)もらいましょう。いろいろな病気の治療経験や知識のあるショップを見つけ、相談するのが一番良い治療法だと思います。薬は通信販売が禁じられていますので、ご来店になりご相談ください。